[お正月の飾り]
目にすると、お正月らしさを感じて神聖で清浄な気持ちになるお正月飾り。
これは、歳神様を誠意をもってお迎えするしつらえです。地方によって多少違うとはいえ、正式な飾り方、飾る日、片づける日なども決まっています。正式にしつらえる材料が揃わずとも、その意味を知ることによって、飾るときの気持ちに豊かなものが生まれてくることでしょう。
[門松]
門松は「歳神の依代(よりしろ)といって、歳神様が天から降りてくるときに迷われないようにする目印なのだそうです。
[しめ縄]
穢れのない新わらで作られ、神の占める場を示します。しめ縄は内外の境界線を示すために張り巡らす綱のことで、ご祈祷などの際に神事を行う場所に綱が張ってあるのをご覧になった方もいらっしゃると思います。それと同じくこれが張ってある場は清浄な区域として他と区別され、家の戸口に張れば、家の中に不浄なものがはいらないように境界線を張ったことになります。
[鏡餅]
歳神様へのお供え物です。ちょうど昔の鏡と同じ丸い形をしているのでこの名がついたとも言われています。作物の中で一番大切なお米で餅をつき、海の幸、山の幸、ゆずりはや橙を飾り付けます。ゆずりはは新葉が成長した頃に古葉が落ちるので「あとをゆずる」と言われ家系が絶えない象徴として、橙は実が落ちにくく世代の違う実が同じ木に残るところから、家が代々繁栄するという象徴として、それぞれ願いが込められています。
他にもお屠蘇の飾りや、おせち料理の意味、祝い箸やお年玉袋など、知ってみればなかなか面白いのがお正月のしきたりです。
[お正月にまつわる花たち]
[松]
花としてではありませんが、門松を始めお正月の生け花に欠かせないのが松。一年中葉を落とさない常緑樹であるため、永遠の命を象徴し、縁起のよいものと考えられています。若松一種だけを生けて根元を水引で結ぶ「水引生け」はお正月や祝儀の席によく使われます。
[竹]
これも花としてではありませんが、まっすぐに伸びる純粋な姿と正しい節目が節操を象徴し、嵐や強風の中でも折れないしなやかなたたずまいが縁起のよいものとされています。また古来より日用品や細工物に使われ、生活にかかせないものでもあります。
[梅]
古来より梅の花は日本人に愛されてきました。万葉集に詠まれている梅の花の歌は桜の花の歌より圧倒的に多いといいます。厳寒の中で芳香ただよう高潔な花を咲かせるところから縁起のよいものとされています。
[松竹梅]
松竹梅のモチーフはは縁起物として掛け軸などいろいろなものに使われています。
[蘭、菊]
中国の水墨画の世界でその高潔な姿から君子にたとえられ四君子と呼ばれる蘭、竹、梅、菊も縁起のよい花とされています。
[千両と万両、南天]
花ではなく縁起のよい色である赤い実をつけた枝がよく使われます。千両、万両は名前も大変景気がよいです。南天は「難を転ずる」といわれます。
[椿、水仙]
真冬に美しい花を咲かせるところからお正月の生け花によく使われます。
参考*お正月の迎え花
お正月は気持ちも新たに、またお客様も多いため、一年で一番お花を飾る機会の多い時ではないでしょうか。ご自分の気に入った花を基本に、先述のお正月の花を彩りとして1〜2種類プラスすればぐっとお正月らしさが演出できますよ。
(イイハナ・ドットコムより)
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